CABANON WOODSHED

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CABANON WOODSHEDについて
☞インテリアデザイン、店舗設計&施工 ご新築などの家具一式製作、アパレルショップ、飲食店、美容室、ネイルサロン、撮影スタジオなどのデザイン・ディレクションと製作が主な業務内容です。他業態もご相談下さい。

☞オーダー家具 CABANONが提案する家具は古材、鉄、革など 無垢材を扱う事が多いです。また飲食店向けの家具やアパレル店舗什器、内照式ショーケース、システム什器、アンティークのコーディネイト、リメイク家具の製作、修理、補修、勿論、個人邸の家具といった部分的な製作などの実績も多岐に渡ります。

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ディータ・ラムス展  「Less Is Better」
昨年、大阪、京都と行われて、やっと関東地方でも開催される

ディーター・ラムス氏の企画展が府中で開かれてるのですが、

初日に行われた、氏の講演を聴けなかったのがかなり後悔です・・

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Dieter Rams ~ ディーター・ラムス

ドイツの工業デザイナーでドイツの家電メーカーBRAUN(ブラウン社)

に所属し、500点以上の革新的なプロダクツ・デザインを手がけた方。

日本で広くはブラウン=電気シェーバーメーカーという認識位しかなく、

斬新で普遍的なデザイン性にあまり注目される事が少なく残念ですが、

実はアップルの様にデザイン重視の企業で、それどころかipodを始め

とするアップル商品に対する氏の影響力は広く知られています。

ここで詳しく見れます。


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氏のデザイン10カ条はとても有名ですが、あえて原文記載すると・・


良いデザインは、革新的である。

既存製品の形を真似るものでもなく、単に新奇性のための

新奇性を生み出すのでもない。

革新の神髄は、製品の機能すべてに明確に見て取れなくてはならない。

現在の技術的発展は、革新的なソリューションを生み出す

新たなチャンスを提供し続けている。



・良いデザインは、製品を有用にする。

製品は使われるために買われる。

それは、中心的機能においても付加的機能においても、

明確な目的を果たさなければならない。デザインの最も重要な任務は、

製品の有用性の効用を最大化することである。



・良いデザインは、美的である。

製品の審美的側面は、製品の有用性と不可分である。

なぜなら、毎日使う製品は、私達の快適な暮らしを左右するからだ。

しかし、美しさを持ちうるのは、うまく考えられたものだけだ。



・良いデザインは、製品を分かりやすくする。

それは、製品の構造を明らかにする。さらに良いのは、

製品自体に語らせることができる点だ。ベストなのは説明を要しない。



・良い製品は、押し付けがましくない。

目的を果たす製品は、道具のようなもの。装飾品でも芸術品でもない。

したがって、そのデザインは中立的で控えめで、ユ-ザ-に自己表現の

余地を残すものであるべきだ。



・良いデザインは、誠実である。

良いデザインは、実際以上に製品を革新的に、パワフルに、

あるいは価値がありそうに仕立て上げない。

守れない約束で消費者を操作しようとしない。



・良い製品は、恒久的である。

短期間のうちに時代遅れとなってしまうトレンドを追わない。

うまくデザインされた製品は、今日の使い捨て社会における

短命のつまらない製品とは大いに異なる。



・良いデザインは、あらゆる細部まで一貫している。

何も曖昧であってはならない。

デザインプロセスにおける徹底と正確性は、ユ-ザ-への敬意を表す。



・良いデザインは、環境に優しい。

デザインは、安定した環境と分別ある原材料の使い方に貢献するもので

なけれはならない。これには、現実の汚染だけでなく、

視覚公害と破壊も含まれる。


・良いデザインは、できるだけ少なく。

少ない方がよい。なぜなら、その方が本質的な点に集中でき、

製品に重要でないものに悩まなくてすむ。

純粋さに戻ろう! 簡潔さに戻ろう。


こう最後に締めくくっている。至極理論的で哲学的な方。




BRAUNのデザイン性については、一部のモノ好きな方や、デザイン関係者、


インテリア、アパレルといったいわゆる業界人には有名な気がするけど


一般的な認知度まで足りてないと思う。


もしメディアやPRの方に力をいれたら、もっと日本にも違った形で


認知が広まったんじゃないだろうか?なんて思ってみるものの、


氏のデザイン哲学を要約した一つの金言『Less but better』を聞くと、


無理して広告に力を入れるよりも「分かる人には分かってもらえる」


過剰な流通に意味を見出せないという、氏の裏メッセージが聞こえて


来そうな気もする。 



「Less But Better」


これは、「量は少なく、しかし品質がより良いもの」という意味で、


ミースが語ったデザインの金言『Less is More』と似ていて異なる。


こっちは「削り込む程、より豊かなデザインを得る」という意味。


どちらも深い言葉で、長年の経験や己を深く掘り下げてやっと絞り出した


老師達の言葉だからぐっと来るものがあるんだと思う。


情報や知識を簡単に入手して知った気になってる


デザイナーやクリエイターから発せられても説得力がないだろうし・・。




ここからは実際に講演に行かれた方のエントリー見て、的を得ているなぁ

と感じたので抜粋させて頂いた。


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売れればいい。

話題になればいい。

みんなの欲しいものを作ればいい。

人々の欲望を満たせばいい。

いま自分たちだけ豊かになればいい。


そんな思いだけでデザインされたものが世界に氾濫するのが、

本当のマーケットニーズなのか?

「より少なく、しかしより良く」という言葉は、

世界の現状から目を背け、甘い安寧の無関心の中でデザインを続ける

デザイナーの無責任な姿勢を糾弾する言葉だ。

ですからラムスは講演の最後、質疑応答の時間、

「マーケティング優先なのは仕方ない」と語った質問者に対して、

「マーケットの声を聞くことは確かに大切だが、今はただ、

あまりに急速な消費のためのマーケティングになってしまっている。

私たちが必要としているのはマーケティング戦略でなくビジョンだ」と

ガツンと切り返した。

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美意識や道徳感、環境と資本経済。 

永遠のテーマだからなかなか答えが難しいです。

キャバノンはリサイクル古材を使って家具を作るけど

必ずしもエコをやりたくてそういう材料を選んだのではなく、

あくまで表情や雰囲気が良かったから。。

それがローインパクトなら尚よしと。


『美意識と経済の高い次元での融合』


出来るだけこれを理念において動きたいと思ってます。


何でも物事の本質が大事で、それが無いと表面的で


打算的になって、目の前のお金で動くから小さくなっちゃう


自分にも言い聞かせてるけど、流されないで真っ直ぐ進むのには


強い信念が必要でこれは凄く大変。絵空ごとばかりじゃ飯は食えない。


これも正論だから。でも・・・。でもなのです。


今の時代は3つ目の道が実現できると思ってるから・・。




「純粋なる形象 ディーター・ラムスの時代―機能主義デザイン再考 」

日程:2009年5月23日(土) - 7月20日(月) ※最終日をのぞく月曜日休館

時間:10:00 - 17:00 (入場は16:30まで)

入場料:一般800円、高校生・大学生400円、小学生・中学生200円

会場:府中市美術館

〒183-0001 東京都府中市浅間町1丁目3番地(都立府中の森公園内)

問合せ:電話:042-336-3371(代表)






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